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2008年05月25日

●寺で寝不足

いろいろ忙しく、前回のエントリーから1ヶ月以上経ってしまった。
でもそのあいだに貴重な体験をしたので、これだけは書いておきたいと思います。


ゴールデンウィーク中、某県のとある寺に泊まることになりました。
しかも宿坊ではなく、本堂に。仏像オンパレードの本堂に…。

仏像マニアの僕が仏像で溢れ返った本堂に泊まる。これは小学生にトイザらスの中で寝ろと言ってるようなものです。寝られる訳がありません。瞼を閉じるのが勿体ない。ゴロンと横になって天井を見上げても、この有り様(2枚目の写真)

 

僕は仏教徒ではありませんが、仏像が好きです。
仏像が好きだ、と言うと「宗教!?」「年寄りの趣味!?」と怪訝な顔をする人もいますが…

フェノロサ以降、仏像には「信仰の対象」という本来の目的とは別に「美術品」という視点が与えられました。サン・ピエトロのピエタを見て美しいと感じるのと同様に、日本の仏像を見てそう感じるのはごく自然なことです。まぁ僕の場合はスター・ウォーズのフィギュアを見て興奮する感覚と同じなのですが。立体造形フェチなんでしょうか。とにかく好きなんです。でもヴィンテージ物限定。新しくても江戸時代モノくらいでないとグっときません。


話が逸れましたが、やはりその夜は一睡もできませんでした。そして静寂な空間で、何かを信じてストイックに生きることの尊さについていろいろと考えました。

2008年03月22日

●ふたりの大日如来

今週、運慶の作品とみられる木造大日如来像がニューヨークのクリスティーズで競売に掛けられ、三越が1280万ドル (約12億7000万円。手数料込みの値段は約14億3700万円) で落札した事が大きなニュースになりました。国宝級の美術品がオークションに出品されるのは珍しく、海外の美術館や個人収集家・投資家などが強い興味を持ったようです。
もちろん僕もこの競売を知ったときは胸が高鳴りましたが、ニューヨークは遠かった。せめてヤフオクに出品してくれれば入札のチャンスがあったのになぁ、残念。

今回のブツは東京国立博物館などの調査で足利市樺崎町の樺崎寺 (廃寺) の本尊だった大日如来像とみられています。樺崎寺は明治初期の神仏分離令によって廃寺となり、今回オークションに流出したこの像はその頃に何らかの事情で散逸したもののようです。

この大日如来像が運慶の作品であると見られる理由としては
・像内に五輪塔形の木札、水晶珠、仏舎利容器と見られる水晶製の五輪塔が納められている
・木札の形状など、運慶独特の像内納入品と共通点が多い
・足利氏の氏寺「鑁阿寺」に伝来する『鑁阿寺文書』にある「鑁阿寺樺崎縁起並仏事次第」に記述のある「三尺皆金色金剛界大日如来像」と、大きさが一致
・足利義兼が作らせた足利市・光得寺の運慶作品の作風に極めて近い (下の写真参照)
などが挙げられています。(この大日如来像が発見された4年前の事は、東京国立博物館教育普及室長だった山本勉さんが書かれた文章を読んで下さい)


で、本題。

左:オークションに流出した大日如来像
右:光得寺の大日如来坐像 (重文指定)

画像では大きさを合わせたけど実際の像高は66.1cmと31.3cmで倍以上の差があり。でも細部までそっくりで、双子のように似ています。(ちなみにマナカナの見分け方は、左目の下にほくろがある方が佳奈。「ほくろカナ」と覚えよう)

600〜700年のあいだ、樺崎寺で暮らしていたふたりが明治政府の神仏分離令によって一方は光得寺へ、もう一方は行方不明。そして4年前、ふたり揃って東京国立博物館で展示。約130年ぶり、束の間の再会でした。次にふたりが出会うのはいつになるのか…。


今回は三越に落札を依頼した人物が日本人ということで、海外流出の事態はひとまず回避されたようだが (とはいってもその人物の詳細は不明のため、今後どうなるかは分からない) 、讀賣新聞の夕刊によると明治以降、海外へ流出した主な鎌倉彫刻は以下の6件あるという。

木造弥勒菩薩立像 (快慶) →ボストン美術館 (米)
木造釈迦如来立像 (快慶) →キンベル美術館 (米)
木造地蔵菩薩立像 (快慶) →バーク・コレクション (米)
銅造菩薩立像 (康勝) →ギメ美術館 (仏)
木造地蔵菩薩立像 (康円) →ケルン東洋美術館 (独)
木造地蔵菩薩立像 (善円) →アジア・ソサエティー (米)

康勝は運慶の子で、康円は孫。つまり慶派の人気がすごい。
ボストン美術館の仏教美術コレクションはかなり気合いが入っているので、一度この目で見てみたいです。バーク・コレクションは去年ニッポン・ツアーを敢行し、ウチの近所にも来てました。


とにかく今回の大日如来像も、願わくば「あるべき場所」に落ち着いて欲しいものです。

2007年06月07日

●ついにチャンスが !?

今朝の朝刊に載っていたこの記事 (福井新聞) 。

僕のように、収集癖のある仏像マニアの最終目的は「マイ仏像」を手に入れる事です。
しかし寺に生まれた長男でない限り、レプリカ品ではない本物の仏像なんて簡単に手に入るモノではありません。骨董品屋に行くと見かける事がありますが、小さいブツでも破格の値段がついています。また由来が不明な場合が多く、盗品である可能性も無いわけではありません。


合法的にマイ仏像を手に入れるためには?

実家が寺のひとり娘と結婚する?(もうムリ)
合戦して制圧する?(時代的にもうムリ)
開祖する?(ムリ)

出家して仏門に入り、研鑽して成り上がって住職になってマイ仏像を手に入れても、そのあとに発生する数々のイベントが面倒やし。そもそも僕は仏像が好きなだけで、宗教には興味がありません。フィギュアとして、立体造形物として、美術品として好きなだけなのです。


そこへきて、冒頭の記事。
まだ造られて20年と歴史が浅いし、なにより高さ17mとデカ過ぎるけど… (理想のサイズは丈六仏)
この物件なら義妹の家に近いので、妻も賛成してくれるでしょう。

固定資産としての評価額は47億円くらいのようですが、公売見積価額が幾らになるのか興味があります。

サマージャンボ宝くじの1等&前後賞 (3億円) が42本あるようなので (昨年度)、そのうち10数本当てれば買える可能性が出てくるかも?

(ちなみに義妹の家に行くときにこの寺と隣りにある城の前を通ったのですが、その巨大さと異様さに笑いが止まりませんでした)

2007年06月04日

●グリーヴァス将軍と阿修羅像

 

 


Sideshowのプレミアム・フォーマット、グリーヴァス将軍

高さは64cm。
上腕2本のライトセーバーが後ろに大きく伸びており、設置するには幅・奥行き・高さともに70cm以上は必要。デカ過ぎて置き場所がありません。素材にプラスチックとポリストーンだけでなく金属も使用されているため、重量は約12kgあります。現在1歳7ヶ月の姪っ子 (9kg) よりも重いってどういう事でしょうか。


前回のボバ・フェットより高額なスタチューですが、グリーヴァス将軍の重量12kgを三嶋亭の最高級すき焼用リブロース (¥18,900/800g) に換算すると、28万3500円分になります。つまりこのスタチューは、定価の450ドルで買ってもお買い得商品なのです (食べられへんけど)


…と妻に言い訳したら、こんなフィギュアなんかより三嶋亭のお肉12kgのほうがいいに決まってるやん!と言われました。将来、男の子が生まれたら34万6500円のダース・ベイダー兜飾りを買ってあげたい (というか僕が欲しい) なんて絶対に言えない。




ところで。

4枚目の写真は仏具屋で貰った (コレは売り物ですか?と聞いたらタダでくれた) 阿修羅像なんですが、EPISODE III 公開時にはじめてグリーヴァス将軍を見たとき「興福寺の阿修羅像をモデルにデザインされたに違いない!」と思ったものです。(実際は ep III のDVD特典映像にもあった通り、全く違っていました)


みうらじゅん氏が阿修羅像の精巧なレプリカ (みうらさんの左に写ってるやつです) を確か8万円で買ったと何かに書いていました。僕もアレが欲しくて興福寺周辺の土産物屋を探しましたが、まだ遭遇できず。ネットで探しても見つかりません。いつの日か、グリーヴァス将軍の横に興福寺の阿修羅像を並べたいと思っています。


人間の想像力の限界を超えた三面六臂 (顔が3つ腕が6本) という異形でありながら、絶妙なバランスを保っている興福寺の阿修羅像。
大部分がドロイド化され、可動性に優れた特殊な造形で他の登場キャラクターには見られない不思議な魅力を持つグリーヴァス将軍。
ここ数年の僕は、個性的なキャラクターが好きなようです。


というのも以前はストーム・トルーパーや、ガンダムならザクジムなど、量産型のキャラクターが並んでいる姿に興奮したものです。
仏像で言うと三十三間堂にいる1001体の千手観音浄瑠璃寺の九体阿弥陀になるでしょうか。


大量生産/大量消費/大衆的/記号化/ポップアート・・・このあたりのキーワードを絡めるといくらでも書けそうですが、話の軸がブレ出したのでまた別の機会に。


【まとめ】
関西圏に住んでいる人は興福寺へ行きましょう。あそこは他にもいいブツが目白押しなのでオススメ寺です。遠くて行けない人は、まずJR東海の阿修羅像ムービーを見て下さい。このページは必見です。みうらさんが阿修羅の解説もしています。

また「週刊日本の仏像」の創刊号特別定価290円が興福寺特集なので、ひとり1冊持っておくように。いつも僕の熱い仏像ウンチク話を右から左へ受け流す妻が、なぜか買ってくれました。


興福寺 (阿修羅は国宝館にいます)